親の家を相続したくない…」と悩んだときに知っておきたい判断ポイントと対処法
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2026.01.30
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親の家を相続したくない…」と悩んだときに知っておきたい判断ポイントと対処法
親の家の相続について、「相続すべきか、しないべきか」で悩んでいる方は少なくありません。
相続は一度決めてしまうと、あとから取り消すことが難しいため、正しい知識を知らないまま判断するのは危険です。
この記事では、親の家を相続したくないと感じたときに考えるべきポイントや、相続放棄・売却・生前対策といった具体的な選択肢を解説します。
目次
親の家を「相続したくない」と思う理由

親が元気なうちはあまり意識しないものの、いざ相続を考え始めると「正直、この家を引き継ぎたくない…」と感じる人は少なくありません。
その理由は「親不孝だから」ではなく、現実的な負担やリスクを考えた結果であることがほとんどです。
ここでは、多くの人が不安に感じやすい代表的な理由を紹介します。
維持費が重い(固定資産税・修繕・管理)
親の家を相続すると、住んでいなくてもお金はかかり続けます。
代表的なのが、毎年支払う固定資産税です。さらに、建物は放置していても老朽化が進み、屋根・外壁・水回りなどの修繕費が必要になることもあります。
遠方に住んでいる場合は、草刈りや清掃、見回りといった管理の手間も負担になるでしょう。
「住む予定がないのに、出費と手間だけが増えていく」ことに不安を感じ、相続をためらう人は少なくありません。
空き家で近隣トラブルや行政リスクが怖い
相続後に家を使わず空き家のままにすると、近隣トラブルの原因になることがあります。
たとえば、
- ・雑草が伸びて害虫が発生する
- ・建物の老朽化で外壁や屋根が落ちる
- ・不審者の侵入や放火などの防犯リスク
こうした状態が続くと、近隣から苦情が入ったり、自治体から指導を受けたりするケースもあります。
「管理しきれない家を持つくらいなら、相続しないほうがいいのでは」と感じるのも無理はありません。
共有名義になるのが嫌(兄弟と揉める/動かせない)
親の家を兄弟姉妹で相続すると、共有名義になることがあります。共有名義は、一見公平に見えて、実はトラブルになりやすい形です。
- ・売却や解体に全員の同意が必要
- ・「使いたい人」と「手放したい人」で意見が割れる
- ・管理費や税金の負担割合で揉める
話し合いがうまく進まないと、家を売ることもできず、ただ持ち続けるしかなくなることもあります。こうした将来の人間関係トラブルを避けたいと考え、相続自体を避けたい人も多いです。
売れない立地・古家で「負動産」になっている
「いざとなったら売ればいい」と思っていても、必ず売れるとは限りません。
地方や駅から遠い立地、築年数が古い家の場合、
- ・買い手が見つからない
- ・解体費のほうが高くつく
- ・売却まで何年もかかる
といったケースもあります。
このように、持っているだけでお金と手間がかかる不動産は、資産ではなく「負動産(ふどうさん)」と呼ばれることもあります。「引き継いでもメリットがない」と感じれば、相続をためらうのは自然な判断です。
借金・保証・未払いがありそうで不安
親の家そのものだけでなく、お金の問題が一緒についてくるのではないかと不安になる人もいます。
- ・住宅ローンが残っていないか
- ・親が誰かの保証人になっていないか
- ・税金や医療費の未払いがないか
相続は、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(借金や債務)も引き継ぐ可能性があります。
「よく分からないまま相続して、後から大きな負担が発覚するのが怖い」そう感じて、「最初から相続したくない」と考える人も多いのです。
望まない家の相続で生じるデメリット

「相続したくないけれど、とりあえず受け取ってから考えよう」そう判断してしまうと、あとから思っていた以上の負担がのしかかることがあります。
ここでは、望まない形で親の家を相続した場合に起こりやすいデメリットを解説します。
固定資産税・管理費が毎年かかり続ける
親の家を相続すると、住んでいなくても毎年の支払い義務が発生します。
代表的なのが固定資産税です。
さらに、空き家であっても最低限の管理は必要になるため、
- ・草刈りや清掃
- ・建物の点検
- ・管理会社への委託費
などの費用がかかるケースもあります。
「使っていないのに、毎年お金だけ出ていく」状態が続くと、精神的な負担も大きくなりがちです。
名義変更や管理責任が発生し、放置できなくなる
相続が発生すると、不動産の名義変更(相続登記)や管理責任が生じます。
2024年以降は相続登記が義務化され、「何もしないで放置する」という選択肢は取りにくくなっています。
また、建物の倒壊や事故が起きた場合、 所有者として責任を問われる可能性もあります。
「相続=持つだけ」ではなく、「管理し続ける責任が発生する」という点は見落とされがちです。
空き家状態が続くと行政指導・特定空家のリスクがある
相続後、家を使わず空き家のままにしていると、自治体から指導や勧告を受ける可能性があります。
- ・老朽化が進んで危険
- ・景観や衛生面に問題がある
と判断された場合「特定空家」に指定されることも。
特定空家になると、 固定資産税の軽減措置が解除され、税負担が重くなるケースも起こり得るでしょう。「何もしていないだけなのに、負担が増える」という状況になりかねません。
共有名義になり、売却や活用の意思決定ができなくなる
兄弟姉妹で相続した場合、親の家が共有名義になることがあります。
共有名義の不動産は、
- ・売却するにも全員の同意が必要
- ・賃貸や解体も勝手に決められない
など、自由に動かしにくいのが特徴です。
意見が合わなければ、 「誰も使わないのに、誰も決断できない」状態が長く続くことも。
結果として、時間だけが過ぎ、問題が先送りされてしまうケースも少なくありません。
将来、子ども世代にさらに負担を残してしまう
望まない相続を整理しないまま放置すると、 次の世代に問題を引き継いでしまう可能性があります。
自分が亡くなったとき、
- ・子どもが同じように「相続したくない」と悩む
- ・相続関係がさらに複雑になる
- ・管理されない不動産が残る
といった負の連鎖が起こることも考えておきましょう。
「自分の代で何とかしておけばよかった」と後悔する前に、早めに方向性を考えることが大切です。
親の家を相続したくないときの対処法

「相続したくない」と感じたとき、取れる選択肢は実は一つではありません。大切なのは、状況に合わない方法を選んで後悔しないことです。
ここでは、代表的な対処法を順番に解説します。
相続放棄を検討する(期限と注意点)
相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継がない選択です。
親の家だけでなく、預貯金や借金も含めて相続しないことになります。
ただし、相続放棄には重要なポイントがあります。
- ・相続開始を知ってから原則3か月以内に家庭裁判所へ申述が必要
- ・一度放棄すると撤回できない
- ・他の相続人に影響が出ることがある
特に注意したいのは、「とりあえず家の片付けをした」「固定資産税を支払った」などの行為が、相続を承認したと判断される可能性がある点です。
借金や負担が大きそうな場合は、早めに専門家へ相談することが重要です。
遺産分割協議で家を引き取らない選択をする
相続放棄をしなくても、遺産分割協議の中で「家を相続しない」という選択ができる場合もあります。
たとえば、
- ・家は兄弟が相続し、自分は預貯金を受け取る
- ・家を相続する代わりに、他の財産を放棄する
といった形です。
この方法であれば、
- ・相続人としての立場は維持できる
- ・不動産の管理責任を負わずに済む
というメリットがあります。
ただし、相続人全員の合意が必要なため、話し合いが難航するケースもあります。
相続したうえで早めに売却・処分する
「一度は相続したが、住む予定はない」という場合は、早めに売却や処分を進めるという選択肢もあります。
相続後すぐに動くことで、
- ・固定資産税や管理費の負担を抑えられる
- ・空き家リスクが大きくなる前に手放せる
- ・相続関係が複雑化する前に整理できる
といったメリットがあります。
特に不動産は、時間が経つほど売りにくくなるケースも多いため、「そのうち考えよう」と先延ばしにしないことが大切です。
売却が難しい場合でも、解体・買取・活用方法の検討など、選択肢は複数あります。
親が元気なうちに生前対策を進める(売却・遺言など)
最もトラブルが少ないのは、親が元気なうちに方向性を決めておくことです。
たとえば、
- ・親自身が家を売却して現金化しておく
- ・遺言書で「誰が何を相続するか」を明確にする
- ・将来住まない家を整理しておく
こうした生前対策を進めておけば「相続人同士の揉め事を防げる」「望まない相続を回避しやすくなる」というメリットがあります。
「相続の話をするのは気が引ける」と感じる人も多いですが、後で大きな負担を残さないための前向きな話し合いと考えることが大切です。
相続するか迷っている段階でまず確認すべきこと

親の家について「相続したくないかもしれない」と感じたとき、すぐに結論を出そうとすると、かえって判断を誤ってしまうことがあります。
大切なのは、感情だけで決めるのではなく、事実を整理したうえで選択肢を考えることです。ここでは、相続するかどうか迷っている段階で、まず確認しておきたいポイントを紹介します。
親の家の名義・評価額を確認する
最初に確認したいのが、親の家の名義が誰になっているかという点です。
- ・親単独名義なのか
- ・夫婦共有名義になっていないか
- ・すでに他の人の名義が混ざっていないか
名義の状況によって、相続の進め方や手続きが変わってきます。
あわせて、家の評価額も把握しておきましょう。固定資産税評価額や、おおよその売却価格を知っておくことで、「資産なのか、負担になりそうか」を冷静に判断しやすくなります。
借金・ローン・未払いの有無を調べる
相続では、プラスの財産だけでなく、借金や未払いの費用も引き継ぐ可能性があります。
特に確認しておきたいのは、
- ・住宅ローンが残っていないか
- ・親が保証人になっている借金がないか
- ・税金や医療費の未払いがないか
こうした負債がある場合、相続放棄や限定承認を検討したほうがよいケースもあります。
「後から知って後悔する」ことを防ぐためにも、早めの確認が大切です。
他の相続人の意向を早めに把握する
親の家の相続は、自分ひとりで決められる問題ではないことがほとんどです。
兄弟姉妹や配偶者など、他の相続人がどう考えているのかを早めに把握しておくことで、無用なトラブルを避けやすくなります。
- ・家を引き継ぎたい人がいるのか
- ・売却を希望している人が多いのか
- ・そもそも相続に関心がない人がいるのか
方向性が見えてくれば、遺産分割協議や今後の対処法も考えやすくなります。
不動産相続のお悩みは中部興産にお任せください!

親の家の相続は「相続したくない」「どうすればいいかわからない」と感じやすい問題です。
特に不動産が絡む相続は、税金・管理・売却・家族間の話し合いなど、考えることが多く、一人で判断するのは簡単ではありません。
中部興産では、相続に関する不動産の悩みを状況整理から具体的な選択肢の提案までサポートしています。
- ・相続すべきか、手放すべきか迷っている
- ・空き家になった実家をどうするか決められない
- ・相続後の売却や活用について相談したい
こうした段階からでも、安心してご相談いただけます。
相続後でも不動産会社への売却を検討できる
「もう相続してしまったから、今さら相談しても遅いのでは?」そう思われる方も多いですが、相続後でも売却の相談は可能です。
相続した家について、
- ・売却できるのか
- ・そのまま持ち続けるべきか
- ・管理や処分をどう進めるのが現実的か
といった点を、状況に合わせて整理することができます。特に、空き家のまま放置していると、固定資産税や管理負担が増え、判断がどんどん難しくなりがちです。
「今どうすれば一番負担が少ないのか」を一緒に考えることで、将来の不安を減らすことにつながります。家の相続でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
不動産相続に関するよくある質問

親の家の相続について調べていると、「これってどうなるの?」と細かい疑問が次々に出てくるものです。
最後に、相続で特に質問が多いポイントをわかりやすく解説します。
親の家だけ相続放棄できる?(家だけ放棄は可能か)
結論から言うと、親の家だけを相続放棄することはできません。
相続放棄は、「特定の財産だけを放棄する」制度ではなく、その人の相続分すべてを放棄する制度です。
そのため、
- ・親の家は放棄したい
- ・でも預貯金は相続したい
といった都合のよい選択はできません。
家だけを引き継がずに済ませたい場合は、遺産分割協議で「家を相続しない」という形を検討することになります。
相続放棄したら固定資産税は払わなくていい?
正式に相続放棄が認められた場合、その不動産の所有者にはならないため、固定資産税の支払い義務はありません。
ただし注意点があります。
相続放棄の手続きが完了する前に、
- ・固定資産税を支払った
- ・管理行為とみなされる対応をした
場合、相続を承認したと判断される可能性があります。
相続放棄を考えている場合は、税金の扱いについても慎重に行動することが大切です。
親が住んでいた家を片付けたら相続した扱いになる?
「実家の片付けをしただけで相続になるの?」と不安に感じる方は多いです。
一般的に、形見分けや最低限の整理だけであれば、直ちに相続した扱いになるとは限りません。
ただし、
- ・家財を売却した
- ・建物を管理・修繕した
- ・賃貸に出した
といった行為は、「相続財産を処分した」と判断される可能性があります。
相続放棄を検討している場合は、自己判断で動かず、事前に専門家へ相談するのが安心です。
兄弟が相続するなら自分だけ放棄できる?
はい、自分だけ相続放棄することは可能です。
相続放棄は、相続人それぞれが個別に判断できる制度です。兄弟のうち一人が放棄し、他の兄弟が相続するケースも珍しくありません。
ただし、誰かが放棄すると、その分の相続権が他の相続人に移るため、家族間で事前に話し合っておくことが望ましいです。
家が売れないときはどうする?(解体・買取・国庫帰属)
相続した家が売れない場合でも、選択肢がまったくないわけではありません。
状況によっては、
- ・建物を解体して土地として売却する
- ・不動産会社の買取を検討する
- ・一定の条件を満たせば「相続土地国庫帰属制度」を利用する
といった方法があります。
それぞれ費用や条件が異なるため、 「どれが一番現実的か」は不動産の状況次第です。
早めに不動産会社へ相談することで、無理のない方向性を見つけやすくなります。
期限の3か月に間に合わないときの手はある?
相続放棄の期限は、原則として相続を知ってから3か月以内です。
ただし、
- ・相続財産の調査に時間がかかっている
- ・借金の有無がすぐに分からない
といった正当な理由がある場合、家庭裁判所に申し立てることで、熟慮期間を延ばせる可能性があります。
「もう間に合わないかも」と思っても、諦めずに早めに相談することが重要です。
