軍用地を相続したら?手続きの流れ・分割方法・相続税対策までわかりやすく解説

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2025.07.04

不動産売買

軍用地を相続したら?手続きの流れ・分割方法・相続税対策までわかりやすく解説

沖縄に多い「軍用地」は、安定した収益が得られる資産として注目されています。相続の対象にもなりますが、一般的な土地と比べて、名義変更や税金の扱いなどに特有のポイントがあるため、初めて相続する方にとっては戸惑うことも少なくありません。

本記事では、軍用地を相続したときに必要な手続きの流れや、相続人が複数いる場合の分け方、相続税評価の計算方法、節税につながるメリットまで、わかりやすく解説します。相続後の活用や売却を検討している方にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

軍用地とは?

軍用地とは、主に沖縄県内にある「アメリカ軍の施設などに使用されている土地」で、国(防衛省)が民間の所有者から借りている土地のことを指します。

この土地の所有者(地主)は、国との借地契約に基づき、毎年「軍用地料」として安定した収入を受け取ることが可能です。

土地自体は国に貸している状態のため、建物などを建てて自由に使うことはできませんが、その代わりに「空室リスク」や「家賃滞納」の心配がないため、安定した投資資産・相続資産として注目されています。

軍用地を相続する方法

軍用地も他の不動産と同じように、相続の対象になります。相続するには以下の手順を踏む必要があります。

1. 相続人を確定する

まず、軍用地の所有者が亡くなった場合、その方の戸籍をたどって法定相続人(法律で定められた相続できる人)を確認します。

2. 遺産分割の方法を決める

相続人が複数いる場合は「誰がどのくらい相続するか」を話し合って決める必要があります。この話し合いを「遺産分割協議」と呼び、内容を文書にまとめたものが「遺産分割協議書」です

軍用地は分けにくい資産のため、共有にするか、誰か1人が相続して代わりにお金を支払うなど、分け方に工夫が必要です。

3. 相続登記を行う(名義変更)

協議がまとまったら、法務局で軍用地の「相続登記(名義の変更)」を行います。これにより、正式に相続人の名義へ変更されます。

必要書類には以下のようなものが必要です。

  • ・被相続人の戸籍謄本
  • ・相続人全員の戸籍謄本と住民票
  • ・遺産分割協議書
  • ・登記申請書 など

4. 相続税の申告・納税

軍用地を含めた相続財産が一定額を超える場合は、相続税の申告が必要です。特に軍用地は、評価方法が通常の土地と異なるため、専門家(税理士)に相談することをおすすめします。

5. 地主会連へ所有権移転等の変更手続きをする

軍用地の所有者は、多くの場合、一般社団法人 沖縄県軍用地等地主会連合会(土地連)に加入しています。これは、軍用地の所有者同士で情報共有や各種手続きをサポートする団体です。

相続登記(名義変更)が完了したら、土地連にも所有権移転等の届出を行う必要があります。主な手続き内容は以下のとおりです。

  • ・所有者名義の変更(所有権移転)
  • ・借地料の振込口座変更
  • ・相続人の住所・氏名変更

軍用地を遺産分割する4つの方法

相続人が複数いる場合、軍用地を「どのように分けるか」を決める必要があります。遺産分割の方法にはいくつか種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは、軍用地に適用される主な4つの分け方をご紹介します。

現物分割

現物分割とは、遺産をそのままの形で分ける方法です。たとえば、土地を複数に分筆して、相続人それぞれが一部ずつ所有すします。

ただし、軍用地は一つの土地に対して国との借地契約が結ばれているため、細かく分けることが難しいケースが多いです。また、分割によって地形や面積に偏りが出ると、不公平感が生まれやすくなるのも注意点が必要となります。

代償分割

代償分割とは、1人の相続人が軍用地を相続し、その代わりに他の相続人へお金を支払う方法です。

たとえば、長男が土地を相続し、次男・三男には現金を支払うという形がとられます。軍用地のように分けにくい資産に適しており、土地を手放さずにスムーズに相続を進めたい場合に有効です

ただし注意点として、代償金を支払う側にある程度の資金力が必要なことを覚えておきましょう。

換価分割

換価分割とは、軍用地を売却して、その売却代金を相続人で分ける方法です。

「誰が土地を持つか」で揉める心配が少なく、相続人が公平に現金で受け取れるのがメリットです。ただし、軍用地の買い手を探すのに時間がかかることがあるため、急ぎの相続には向かない場合もあります。

また、売却によって軍用地という収益資産が失われる点にも注意が必要です。

共有分割(共有相続)

共有分割とは、相続人全員で軍用地を共同所有する方法です。それぞれが土地の「持分(もちぶん)」を持つ形になり、国からの借地料も持分に応じて分け合います。

相続手続きが比較的簡単で、すぐに売却する必要もないため、ひとまず保有したいときに選ばれやすい方法です

ただし、後々売却や名義変更などをする場合、相続人全員の同意が必要になるため、トラブルになりやすい点には注意しましょう。

軍用地は相続税対策としても有効な投資方法

「相続税が高くて困るのでは?」と不安に思う方も多いかもしれません。実は、軍用地は相続税対策としても優れた特徴を持つ不動産です。

軍用地とは、国(防衛省)がアメリカ軍の施設として借りている土地のことで、所有者は国から毎年「借地料(使用料)」を受け取れます。このように収益が安定している一方で、相続税の計算に使われる評価額が比較的低くなるため、相続税の節税効果が期待できるでしょう。

そのため、近年では「節税もできて収入も得られる土地」として、相続対策のひとつとして軍用地に注目が集まっています。

軍用地を相続税の節税対策に選ぶメリット

軍用地が相続対策として有利と言われる理由は、大きく次の3つです。

固定資産税評価額が低い(借地)

軍用地は「借地権付きの土地(=国に貸している土地)」という扱いになるため、固定資産税評価額が通常の宅地よりも低めに設定されることが多いです。

相続税はこの評価額を基に計算されるため、同じ価値の現金や自宅と比べて、軍用地のほうが課税対象額が少なくなる可能性があります。これが、軍用地が節税に強いと言われる理由の一つです。

空室リスクが低い

通常の賃貸物件では「空室」や「家賃滞納」のリスクがありますが、軍用地の場合は借主が国(防衛省)です。契約も継続されることが多く、借地料は毎年安定して支払われるため、収益性が非常に高く安心感があります。

そのため、「相続したあとも安定して資産を持ちたい」と考える方にとって魅力的な選択肢です。

維持管理が簡単

軍用地は建物が建っていない「更地」であることがほとんどです。そのため、建物の修繕や老朽化への対応が不要で、定期的な管理の手間もほとんどかかりません。

忙しい相続人や不動産の管理に不慣れな方でも、負担が少なく保有・活用しやすいのがメリットです。

軍用地の相続税評価額の計算方法

相続税を計算するうえで重要なのは、「土地の評価額」です。現金や株などは金額がはっきりしていますが、土地の場合はそのままの価格(実勢価格)ではなく、税金のために決められた基準額で評価されます。

軍用地も例外ではなく、「固定資産税評価額」と「公用地の倍率」をもとに以下の計算式で相続税評価額が計算されます。

軍用地の相続税評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率(公用地倍率)

たとえば、軍用地の固定資産税評価額が2,000万円、評価倍率が1.1倍であれば、

2,000万円 × 1.1 = 2,200万円

この2,200万円が相続税の課税対象となる評価額になります。

固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額とは、市区町村が毎年決定する、土地や建物に対する評価額です。これは、固定資産税や都市計画税の計算にも使われる基準であり、一般的には市場価格の7割前後に設定されることが多くなっています。

評価額は3年ごとに見直され、各市町村が所有者に対して通知します。軍用地を相続する際にも、最新の評価額を確認することが重要です。

公用地の倍率とは?

「公用地の倍率」は、国税庁が毎年発表する、土地の種類や所在地ごとに決められた評価用の係数です。

軍用地のような「国に貸している土地」は、この倍率方式を用いて評価されます。倍率は地域によって異なりますが、1.0〜1.2程度の範囲になることが多く、一般の宅地よりも低く抑えられるケースもあります

倍率は国税庁の「路線価図・評価倍率表」から誰でも確認可能です。

このように、軍用地の相続税評価額は他の宅地と比べて計算式がシンプルで、評価額が抑えられる傾向にあるため、節税対策にもなり得るというのが大きなメリットと言えるでしょう。不安がある場合は、税理士に相談して正確な金額を把握することをおすすめします。

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